アンバサダー4500CB、4600CBの一番の特徴であるセルフセンタリングレベルワインド機構の取り外し方法です。
アンバサダー4600CBを使い、解説していきます。
取り外す事で、キャスト時の抵抗低減とマイクロキャストブレーキCR2が使用可能となります。
アンバサダー4500CB、4600CBの一番の特徴はセルフセンタリングレベルワインド機構です。この機構は左側のサイドプレートに組み込まれたギアプレートにより機能します。
このギアプレートにストッパーが組み込まれていて、キャスト時にギアが一定程度動いたところでストッパーが作動し、ギアが動かなくなる事でレベルワインドを停止させる仕組みとなっています。
スプール軸にバネを介して取り付けられたピニオンギアがライン放出方向の回転には滑って回転する仕組みになっており、ストッパー作動後はここが滑る事でスプールの回転を止めない仕組みになっています。
スプールの中央でレベルワインドが停止する事は一見ラインの放出抵抗を減らす様に感じますが、元々レベルワインドがスプール回転とシンクロして動く構造のアンバサダーシリーズでは、逆に放出抵抗を増やしてしまう事になってしまいます。常にレベルワインドがスプールと連動する事で、レベルワインドとラインの角度は放出抵抗の少ない状態でキャストが可能なのです。
また、丸型のリールは元々スプールとレベルワインドの距離が近く、そういった意味でもレベルワインドが停止した場合、そこを通るラインに角度が付きやすい構造とも言えます。
機構としては相当考えられた画期的なシステムだと思うのですが、実際にはピニオンギアが滑る時の抵抗が大きく、レベルワインドが止まった時からスプールの回転速度が急激に落ち、飛距離が出ないという非常に惜しいシステムであったようです。
こう考えるとアンバサダーにはスプール連動のレベルワインドシステムが最適な構造であると思います。1952年ABUがRECORD Ambassadeur No.5000を発表した時点で既に完成された構造であったと言えます。
この作業をせずにギヤプレートを取り付けると、キャスト時のレベルワインダーの停止位置がズレてしまいますので、組み立て時にはご確認下さい。